歴史改竄主義者の心情を考える
- 恵琳
- 2022年1月24日
- 読了時間: 3分
東京新聞
2022年1月23日 07時29分の記事
『週のはじめに考える 「過去」を支配させるな』 https://www.tokyo-np.co.jp/article/155886
この記事、意義深く良い記事なのだが、歴史改竄主義者の心情についての考察が乏しいと感じる。なので代わりに私が、彼らがショアや南京大虐殺をなかったことにする理由を推測してみた。 1 つらく悲しく重苦しい過去を現実と認めたくないから。要するに重い事実への耐性がなく、信じたいものを信じるタイプ。 2 学校で歴史を教わるときに、教師から「これが正しい事実です」と強調され、「ほんまかいな」と反発心が生まれるから。要するに上からの押しつけを嫌う。 1のタイプの人には、認めたくない事実を見てもらえるだけの強い精神を持ってもらえればよい。人によったら非常に難しいかもしれないが。 2のタイプの人に変わってもらうには、どうすればいいだろう。 例えばショアの被虐殺者数を疑っている人がいるのなら、実際にその人にデータを元に計算してもらえばいいのではないか。また、「ガス殺はなかった」と言う人は、実際にアウシュヴィッツに足を運んだり、ショア生還者等の話を聴いたりすべきだ。
ショア被虐殺者の計算方法の詳細はこの本に載っている。 芝健介『ホロコースト』(中公新書)
https://www.chuko.co.jp/shinsho/2008/04/101943.html ショアで虐殺されたユダヤ人の数として現在最も信頼できるとされている「約600万人」という数字の求め方はいろいろある。
ニューヨーク・ユダヤ人問題研究所の説では、「戦前の欧州ユダヤ人の数-(戦後の欧州ユダヤ人の数+亡命ユダヤ人の数)」という計算法で求められる。950万-(310万+60万)=580万、というわけだ。 他の説でも被虐殺者数は大体600万人ほどである。『ホロコースト百科事典』の説では、最低でも559万6000人、最大で586万人となっている。これは各国、各地域についての専門家がそれぞれ出した被虐殺者数を合計したものである。
また、上の本の著者の芝さんの自説では、大量射殺されたのが130万人、ベウジェッツ、ソビボル、トレブリンカ、マイダネク、アウシュヴィッツの各絶滅収容所のガス室で殺されたのが300万人、ガストラックで殺害されたのが70万人。そこに強制収容所で亡くなった人々(チフス等でだろうか?)と死の行進で亡くなった人々を加えたら600万人は下らないだろう、とのこと。
ちなみに私は1月27日のホロコースト国際デー(アウシュヴィッツ解放記念日)に、NPO法人ホロコースト教育資料センター(Kokoro)のオンラインイベントに参加する。中公新書『歴史修正主義』の著者である武井彩佳さんのお話を聴くのだ。いつもの通り非常に不安でドキドキするが、参加するしかない。そして武井さんの本もいつか買いたい。今はお金がなくてどうにもならないけれど。
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