反ナチナチヲタ・反戦ミリヲタにお勧めの作家/映画監督 森達也
- 恵琳
- 2022年1月22日
- 読了時間: 2分
森達也さんをご存知だろうか。
森さんはナチスやクメール・ルージュ、ルワンダ大虐殺や関東大震災朝鮮人虐殺事件だけでなく、オウム真理教、死刑制度、政権やメディアの腐敗、やまゆり園事件など、人間の闇について幅広く研究し、数多くの本や映画を発表している。 恥ずかしながら森さんの映画はまだ一本も観ていないが、オウム信者のドキュメンタリー映画『A』ぐらいは観たほうがいいと思っている。
ところで森さんが一般財団法人ヒューライツ大阪のニュースレターに寄せた文章「死刑について考えたこと 被害者の人権と加害者の人権のはざまで」がすごく良かった。まずはこちらのリンクにアクセスして、森さんの記事を読んでいただきたい。 https://www.hurights.or.jp/archives/newsletter/section4/2018/03/post-201804.html 被害者と加害者の人権は決して対立するものでない。こちらが立てばあちらが立たずというものでなく、両方同時に尊重するものなのだ。 そして、人権とは生きている人間に属するものである。殺人事件等の加害者の人権擁護や死刑廃止を主張すると、決まって「殺された人の人権はどうなるんだ」という声が聞かれる。 殺された人にも誹謗中傷などから守られる権利があるが、それは人権とは別のものだ。人権は生きている人にあるものだ。いちばん大切なのは今生きている人たちである。 これが分かって本当に良かった。 ところで、私はツイッター上で反ナチナチヲタ・反戦ミリヲタと繋がっている。果たして私達は、ツイッターでヒトラー、クレープス、オーレンドルフ等ナチ党員への愛や、戦車、兵器、軍服等への愛を呟くことで、ショアや戦争の被害者・遺族を傷つけているのだろうか? 私達が気をつけるべきことはなんだろうか? 私達の存在意義、社会における役割とはなんだろうか?
こういうことを考える際に、森さんの文章は非常に役に立つ。
姜尚中さんとの対談本『戦争の世紀を超えて』(集英社文庫)と『虐殺のスイッチ』(出版芸術社)は戦争や差別や虐殺を考える上で非常に参考になった。
被害者の声だけでなく加害者の声も集めることの重要性、「悪」と認定された者に対して一切同情せず、想像力も働かすことなく一斉に叩く世間の同調圧力の怖さ、死刑廃止・人権擁護の大切さを深く教えていただいた。
反ナチナチヲタ・反戦ミリヲタにはぜひとも知っていただきたい人である。
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