ロシアという名のパン
- 恵琳
- 2022年6月11日
- 読了時間: 2分
近所のスーパーに「ロシア」という名前のパンが売っていた。 2022年6月10日の夜遅く、私は近所のスーパーに行った。本当は顆粒だしやコンソメなどを買いに行ったのだが、それらをカートに入れた後、割引品の籠の中に「ロシア」という名のパンを見つけたのだった。 私はそのパンをまじまじと見つめ、少し考えた。 ロシアのプーチンは嫌いだが、ロシアヘイトも嫌いだ。ロシア嫌悪に抗うために、この大きなパンを買おう、と。 そしてパンをカートに入れ、レジまで歩いていった。 先に商品を読み取ってもらっていた小父さんや、レジ打ちの若い女性は、籠に「ロシア」のパンを入れた私をどう思っただろうか。「嫌な人だなあ」と思っただろうか。 支払いを済ませ、夜道を歩いていると、「私は何かとんでもないことをしたのかもしれない」という思いが湧いてきた。これはウクライナ人にとってどんな意味を持つのだろう。ロシア人にとってどんな意味を持つのだろう。脳内でぐるぐると考える。 「こういうパンを作ること、店先に並べること、買うこと自体自粛すべきではないのか。ウクライナヘイトだぞ。第二次大戦中のアメリカで『ドイツ』なんてパンを売るようなもんだろ」 ゼレンスキーの怒った顔が脳裏に浮かんだ。しかしもうひとりの私が反論した。 「いやいやそれなら、NHKのロシア語講座も自粛しろという話になるぞ」 「それは嫌だな」 「うん。そうだ。ロシアのプーチンは悪いけど、ロシアという名前のパンに罪はない」
皆さんはどう思うだろうか。
たぶんこれは旧ソビエト時代の救荒食をイメージした製品なのかなと。随分昔からあって、昔はもっとバカみたくデカかった。