カール・マイを読み出した
- 恵琳
- 2022年11月12日
- 読了時間: 2分
ドイツの冒険小説家カール・マイの『砂漠への挑戦』(戸叶勝也(とかのかつや)訳、エンデルレ書店)を図書館で借りて読んでるけど、文体がすげーおもろくてどんどん読める。主人公のドイツ人に付きそって砂漠を旅するイスラム教徒の男の語りが飄々として特におもろい。この男、主人公をなんとしてでもイスラム教徒に改宗させようと躍起になっているが、どうなることやら。
日本ではあまり知られていないこの作家さん、実はヒトラーが少年時代に愛読していたらしい。私がこの小説を読むようになったのは、今書きかけの小説に少年時代のヒトラーが出てくるからだ。ヒトラーを知るためには、ヒトラーが好きだった作家や音楽家について知ることが必須だと思う。まあワーグナーは怖くて聴く気しないけど……あの作曲家反ユダヤ主義だったらしいし。
ところで戸叶氏の『知られざるドイツの冒険作家カール・マイ』(朝文社)という本によると、カール・マイが日本であまり知られていないのは、日本のドイツ文学者が、戦後のかなりの時期まで、マイのような大衆文学者を軽蔑してトーマス・マンやヘルマン・ヘッセのような純文学者ばかり重んじて、彼らの作品ばかり訳してきたかららしい。もったいない。
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『砂漠への挑戦』には、チュニジアの塩湖・ジェリド湖が出てくる。千葉県と同じくらいの面積らしい。
『砂漠への挑戦』によると、塩湖はジェリド湖以外にも2つあり、西から東にメルソル(メルリールの間違いと思われる)、ラルサ(ガルサの間違いと思われる)、ジェリドらしい。塩湖の上にできたできたいくつかの小道は、雨季にどろどろになるとラクダや人間を呑み込むという。
ちなみにメルリール湖の日本語版ウィキペディアによると、今シェアしたnote記事の題名にある「ショット」というのは、「乾いた湖」「塩湖」を意味するらしい。
にしてもマイ、塩湖の名前間違えすぎ。いい加減すぎる。大変かもしれないけどちゃんと取材すべき。
メルリール湖のウィキペディア日本語版
これからも断続的にカール・マイのことを書いていきたい。最近体調が最悪で、体も心も重苦しく、布団からなかなか起き上がれないほどだったが、マイの本を読み出したら元気が湧いてきた。どんどん読んで元気を出そう。
追記
まあカール・マイは所詮昔の人だから、アラブ世界に関して色々と誤解もあるだろう。あまり熱心に読み過ぎたら、間違った知識が定着してしまうかもしれない。アラブ世界のことを知る上で役に立つ書籍などあればご教示願いたい。
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