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【短編】自堕落生活

  • 執筆者の写真: 恵琳
    恵琳
  • 2022年11月20日
  • 読了時間: 2分

(半可通の書いた小説ですので、間違い等あればご指摘ください)


今日は具合が悪くて昼になってもベッドで寝ていた。すると外から、「ごめんくださあい」と声が聞こえる。俺はお母さんに出てもらおうと思ったが、「アディ、出なさい、私は今忙しいのよ」との声に押されて、そそくさと服を着て、やむなく玄関に出た。

若い郵便配達員が、手紙を持って待っていた。男は俺に手紙を手渡すと、「あんちゃん、どうやって生きてくつもりだい」と訊いてきた。「聞くところじゃあ、あんた一日中寝てるらしいじゃねえか、大丈夫かよ」

俺は急に戦慄して、自堕落な生活を恥じた。しかしいつもの空元気で、「画家になります」と答えた。郵便配達員は心許なさそうに、「そう、ならいいけど、だいじょぶか?」とだけ言って、自転車に乗って行ってしまった。

俺は途方に暮れてしまったが、将来に対する不安を必死に打ち消すために、画家になって賞を取って、みんなに喝采されている様子を思い浮かべた。ああ、この妄想さえ働かなくなったら、俺は終わりだ。そして家に入って手紙を食卓に置き、自室にこもってスケッチブックとペンと絵の具を取り出し、カバンに入れ、写生に出かけた。それにしても、建物を描くとは決まっていたものの、どれを描けばいいのかうまく決まらない。うろうろしてみても、良さそうな建物はなかった。どのくらいそうしていただろう。日が傾きかけた頃、やっと趣のある建物を見つけた。農家の納屋だった。よし、ここで座って描くぞ、神様いい建物を紹介してくださりありがとうございます、という心持ちで、草原に腰掛けて納屋を描いた。日暮れとの戦いだった。もうすぐ日の入り、という頃に、ようやく描き終わって、出来具合を確かめた。うん、いい出来だ。俺は帰って妹に見せてやろう、と自信満々だった。

案の定、妹は俺の絵を見て「うわあ、凄いねお兄ちゃん」と言ってくれた。妹は絵のことなんか分からないから、厳しいことを言われずに済む。それが俺にはありがたかった。妹の前なら、俺は王様になれた。俺を崇めてくれる唯一の妹。ははは。

 
 
 

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